むかし、むかし。

あるところに赤ずきんちゃんという……以下略。



時代はずずいっと進んで、こちら現在。



少年はお母さんにお使いを頼まれました。

なんでもおばあさんが風邪を引いてしまったそうです。



「ちょっとおばあさんの家に、お見舞いに行ってきて」

「えー……」

「えー、じゃない。ホントは昨日行ってきてって言ったのに」

「だって雨降ってたじゃん」

「じゃあ今日は雨降ってないんだから、行ってくれるわね?」

「……はいはい」

「はい、これ。お見舞いの品と赤ずきん」

「赤ずきん?そんなの、いらねぇよ」

「話の成り行き上必要だから、被って行きなさい」

「ぜってぇヤダ。ンなダッセーの被ってらんねぇよ」



そんなこんなで、赤ずきんを家に置いて。

少年はおばあさんのお見舞いへと出掛けるのでした。






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